海ノ民話のまちプロジェクトに船橋市の民話が選出（千葉県で2例目）「雪どけ塚の白ヘビ」がアニメーション化＆海苔師坂才丸とのコラボ商品発売中

「海ノ民話のまち」では2018年のスタート以来、2022年まで40自治体に伝わる民話のべ42作品を制作し、2023年には新たに25自治体が語り継いできた民話25作品をアニメーション化しています。

この「海ノ民話のまちプロジェクト」に船橋市の民話「雪どけ塚の白ヘビ」が千葉県で2例目の作品として選出されました。

まずは海ノ民話アニメーション「雪どけ塚の白ヘビ」をご覧下さい！

4月19日時点で再生回数1,500回達成！

海ノ民話のまちプロジェクトとは？

「海ノ民話のまちプロジェクト」は、2018年から日本財団と一般社団法人日本昔ばなし協会が推進しているプロジェクトで、日本財団による「海と日本のプロジェクト」の一環でもあります。

海と深く関わりを持つ日本という国の「海のつながり」と「地域の誇り」を子ども達につたえ、語り継ぐべく、日本中に残された「民話」と「伝承」を選定し、次の世代を担う子ども達からさらに次の世代へと伝えていく機運醸成を図るねらいがあります。

千葉県の中でなぜ船橋が選出されたか？

「海ノ民話のまち」では5つの”民話の選考基準”が設けられています。
＜知恵＞
先人の豊かな海の学びが包括されているもの
＜想像力＞
海の多様性と好奇心を喚起するもの
＜資産＞
地域で大切に語り継がれてきたもの
＜地域性＞
地域の海の風土や特色を表現しているもの
＜継承性＞
地域の子供達に化あり次ぐ機運があるか

「雪どけ塚の白ヘビ」が選出されたその理由として、沼田心之介監督は、
「選考基準の全ての要素が詰まっていました」とお話されました。

｜「雪どけ塚の白ヘビ」はどのような話か

「船橋の民話を聞く会」が発行している「ふなばしむかしむかし」より「雪どけ塚の白ヘビ」を抜粋いたします。

提供　日本昔ばなし協会・日本財団
海と日本のプロジェクト

提供　日本昔ばなし協会・日本財団
海と日本のプロジェクト

提供　日本昔ばなし協会・日本財団
海と日本のプロジェクト

提供　日本昔ばなし協会・日本財団
海と日本のプロジェクト

雪どけ塚の白ヘビ

　むかし、夏見村にあった城跡に、少しひくくなったところがありました。そこは。雪がふってもつもらず、つもってもすぐとけてしまうことから、雪どけ塚とよばれていました。
塚の上には松の大木があり、その根元のあなに大きな白いヘビが住んでいました。

「白ヘビさまは美しいのう」
「ほんとうに、きれいな姿じゃのう」

村人たちは、その美しさに見とれ、おそろしさをわすれて、口ぐちにはなすのでした。
白ヘビは、ひるまはいつもあなの中でねていました。
そして、夜になると長く美しいからだを松のみきにからませ、首をたててぐるっと見わたしていました。その目はキラキラとひっていました。
あるとき漁師たちは、漁を終えて帰る途中で方向がわからなくなってしましました。

「どっちに行けばいいのか、わからねえ」
「こまった、こまった」

そのとき、遠くでキラキラとひかっているものが見えました。

「あそこで光っているのはなんだ」
「あっ、あれは白ヘビさまの光にちげえねぇだ」
「そうだ、あっちに行けば船橋に帰れるぞ」
「たすかった、たすかった」
「よかったなあ」

漁師たちは、ぶじに家に帰ることができました。
雪どけ塚の白ヘビは、いつしか灯台の役目を果たすようになったということです。

船橋の民話は他にも船橋の名前の由来や、徳川家康にまつわる話など2本程候補があったそうですが、上記理由により「雪どけ塚の白ヘビ」が選出されたとのことです。

船橋の民話はどんな民話？

船橋市には古くから言い伝えられている民話が数多く存在しています。
代表的な書籍としては、村上昭三さんが集めた「船橋の民話」や、船橋市内で語り継がれてきた昔話や、伝説を聞き取り、記録として遺す活動をしている「船橋の民話をきく会」による「ふなばしむかしむかし」が挙げられます。
「船橋の民話をきく会」では、市内の小学校などで読み聞かせ会などを開催しており、これまで多くの子ども達に船橋の民話を語ってきました。
船橋の民話は、船橋大神宮、徳川家康、三番瀬など、いまでも船橋にゆかりの深い場所の話から、河童や亀、今回の白ヘビなどの話、そして船橋の民話には欠かせない「重右衞門ばなし」など、バラエティに富んでいます。